コラム
オザワさんぽ 最終回「『はけ』巡りとおいしい朝市」
すっかり暑い季節に。みなさん、夏バテされていませんか? 念願の文具メーカーへの就職が決まり、目の前の卒論と素直に向き合えない21歳の夏、プール開きではしゃいでいた自らの少女時代が眩しい……オザワです。
さて、そんな自堕落な日々を送る私に、空想不動産の方が気になる情報を教えてくれました。
「国分寺〜小金井には『はけ』というものがある」「北の高い台地と南の低い台地の境にある地下水が湧き出る段差が、地元ではこう呼ばれている」「東京らしからぬ自然が感じられるらしい」「なんかイイ感じらしい」
梅雨明け翌日、行ってきました。日が高くなってからでは辛いので、午前中から行動開始。教えてもらったサイトを参考に国分寺駅から歩きました。
まず、貫井神社。ここの「はけ」ポイントは……お社の横を流れる水流をたどってみると、発見。静かに、こんこんと湧いてます。その水が流れ込む池の大きな岩の上で、亀が20匹あまり(数えました)甲羅干しをしていたのが印象深かったです。
次に、三楽の森という緑地へ。コケ植物っぽいものが生えて、木漏れ日が差し込み美しい。住宅地の一角にあるのですが、外界と切り離されていて非常に静かで落ち着ける空間です。
少し歩くと滄浪泉園(そうろうせんえん)へ到着! 園内には私のほかにひと組の老夫婦しかおらず、思いっきり深呼吸してもスキップしても許される(?)静けさ。様々な種類の鳥の鳴き声が至るところから聞こえてきて、自然の生き生きとした力を感じました。空気が美味しかった〜!! ちなみに入場料は、大人100円かかります。
さて、このあと私、道に迷いました。しかも、実はロクに朝ごはんも食べずに出てきてしまったため、空腹でどうにかなりそうでもありました。この炎天下で干からびるしかないのか……と朦朧としていたとき、空想不動産の方の言葉を思い出しました。
「『はけのおいしい朝市』っていうのもやってるって。パンとかレトロな文具とかもあるよ」
パン……おいしい……文具……レトロ……! がぜん力が湧いてくるのを感じました。今日の取材のラストは朝市で締めよう! そう決意し、文明の利器(iPhone5)を駆使して、連雀通り沿いの「dogdeco」へ到着。
店内にはお客さんがたくさん。可愛らしい花束、洒落た木製雑貨などの横に売られていた、見るからに美味しそうなサーモンのキッシュ、レーズンとナッツのスコーンを購入。出店者、お客さんともにリピーターさんが多いらしく、みなさん親しげにゆる〜く会話していたのが印象的でした。
また、そこから徒歩5分ほどのところにある、もうひとつの会場「中村文具店」。レトロ文具好きには垂涎モノの空間です! ガレージに3つのお店が出店していて、私は鮮やかな花柄の便せんを購入しました。あと、ラムネも。その場でゴクゴクいただきました。たまらなかったなあ。これって、暑い思いをしたからこそ感じられる美味しさだよね。
自分の足で歩かないと、感じられないことがたくさんある。そして感じ方次第で、毎日の生活はいくらでも楽しくできるんじゃないか。この「オザワさんぽ」を書いていて何度も実感しました。
今回をもって連載はおしまいになりますが、小さな感動を見つけ続けられる人になるべく、私はおさんぽを続けたいと思います。こんなゆるいものを、世の中に発信させていただく機会を与えてくれた立川空想不動産の方々、ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました!
みなさんもおさんぽで、ぜひ小さな幸せを見つけてください。
(オザワ)
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*この連載は、トーキョー学生図鑑と共同で制作しています。
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